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特集 vol.16 断熱がもたらす豊かな暮らし〜その3 温熱計算編〜


「そもそも住まいの断熱工事ってどんなことをすればいいの?」という疑問にお答えしています。
続、断熱コラム第5回目は、断熱性能の「見える化」を実現した「温熱計算」について
、詳しく解説していきます。

<その3:温熱計算編>
〇断熱工事の検討には温熱計算を活用しましょう

断熱工事の内容が決まったら、条件を入力して温熱計算を行います。温熱計算を行うと改修前後のUa値、光熱費の変化を図やグラフ等でわかりやすく可視化することが可能です。

断熱工事を行うと年間の光熱費がいくら下がるのか、というシミュレーション結果を参考に、断熱工事にかけられる工事はどの程度なのか、何年間で工事費を回収できるのか、ということを検討し、最終的な断熱工事の内容を確定します。

リノベエステイトが2023年にリノベーションを行った、築50年の物件の改修前後の温熱計算結果を下に記します。改修前の年間のランニングコスト(電気代+ガス代)は419,180円となっていますが、①内窓の設置(Low-E複層遮熱グリーン)②断熱材充填(ミラフォームλ)③高機能換気システムの導入(ダクトレス)の3つの断熱工事を行ったことにより、改修後の年間のランニングコストは225,825円、約半額となっています。断熱にかかった工事費が200万円だとすると、約10年でイニシャルコストを回収できるという事がこのシミュレーション結果によって明らかになっています。

<改修前:温熱計算結果 >
 <改修後:温熱計算結果 >

 

また、住宅から失われる熱量の平均値表すUa値は、改修前【1.587】から改修後【0.598】に改善し、断熱等級5を達成しています。築50年の団地は、断熱工事を行ったことにより、2030年以降に建設される新築住宅と同等の断熱性能を持つ高機能な住宅に生まれ変わったと言えるでしょう。

このように、内窓、断熱材、高機能換気システムの3つのポイントを抑えることで、中古住宅でも“夏涼しく、冬温かい”1年中快適な温熱環境を作ることができます。見た目だけよくでも、冬寒くて結露がひどかったり、夏暑すぎる住宅では、のんびりくつろぐことはできません。

リノベエステイトでは、2022年より、高気密高断熱システム『エコキューブ』を採用しています。そのため、改修前後の住戸の温熱計算を行い、お客様にその住宅に合った最適な断熱方法をご提案するサービスを提供いたします。