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小笹団地のスターハウス
団地萌えの松山真介です。今日のブログは皆様の生活に全くお役に立たない内容ですけど、書かずにおれないテンションでお届けします(笑)
福岡県にはマニア魂をそそる団地が幾つか点在しております。その中でも福岡市の中心市街地から一番近い場所にあるのが「小笹団地」です。ちなみに僕は大学生の頃は、あまり仕事には役立たない「西洋建築史」というマニアックなお勉強をかじってたという経緯もあり、古い建築物に盲目的に、パブロフの犬的な反応をしてしまうんです。
そんな小笹団地にはなんと!スターハウスがあります!スターハウス?そう、あの有名な錦野旦氏の家!ではありません。Wikipediaでは、以下の様の解説されてます。
主に日本住宅公団・日本電信電話公社・地方公共団体が建設を推進した。形状は、スターハウスを上空から見るとY字型をしている。また主に公団・電電公社によって建設されたスターハウスは4-5階建てであり、その場合1フロア3室が基本である。近年は、星型の高層マンションが建設されるなどの新たな動きも出てきている。最も多くのスターハウスを建設した日本住宅公団は、公団で最初の団地である金岡団地(1956年(昭和31年)竣工)への導入を皮切りに、多数の団地にポイントハウスとしてスターハウスを建設した。しかし、昭和30年代後半から昭和40年代にかけて、「複雑な形状であるため多くのコストがかかる」ことと、「大量生産に向かず、住宅の量的要求に答えられない」という理由ため、1964年(昭和39年)12月竣工の名和団地のスターハウスによって、日本住宅公団による中層のスターハウス建設は終了した。
この小笹団地は、福岡県住宅協会(現在の福岡県住宅供給公社)が初めて手掛けた大規模団地で、昭和31〜35年度にかけて合計958戸の住宅が建設されました。昭和25年の発足以来、中小規模の団地しか建設していなかった福岡県住宅協会にとっては、4万5千坪の面積に1千戸近い住戸数は経験のない規模であったようです。傾斜地の下は竣工時には国鉄筑肥線が通っていて小笹駅もあるなど、環境と交通の便に恵まれた、当時の人々にとって団地とは憧れの住まいとして、セレブな人々に大人気の物件であったと言われてます。住棟構成は4階建の中層棟が大部分を占め、板状住棟の他に2タイプのスターハウスや螺旋階段型住棟があります。各地のスターハウスが解体される中、小笹団地は複数のスターハウスが並んでいる状態が見られる数少ない団地のひとつで、さらに希少なダブルスターハウスも存在しております。
こんな建築遺産として、ヨダレ物の建物の室内を見学する機会を頂き、がっつり散策してきました!
この部屋は4.5畳です。でも1.5畳の押し入れが空中に浮遊してます。日本人の空間を余すこと無く使う魂が感じ取られます。きっとこの押し入れの下に子供達が寝てたんでしょう。いや、小さな机を置いてライブラリー的に使われていたかもしれません。
キッチンに隣接するベランダには標準でプランターが設置されてます!ここでネギとか育ててお味噌汁にいれてたんでしょう。
お風呂は自分で好きなバスタブを設置出来ます。猫足の可愛いバスタブをポンと置けます。お風呂が嫌いな人はシャワーだけでも良いんです。自分らしく暮らすことが可能です。なんと個性を大切にしている家でしょう!
風呂(的な場所)に隣接するトイレにはガラス窓が設置されており明るく健康的な空間となってます。
斜めの壁に合わせて設置されている造作家具は半世紀前のヴィンテージファーニチャーになってます。この机が欲しい!という人は間違いなく福岡市内に100人はいるでしょう。
階段室はプライバシーの確保と光の確保をバランス良く融合したポエッティックな空間となってます。
屋外の共用部は誰かの野菜畑としてモリモリ収穫されてます。福岡市中央区にある贅沢なファームです!きっとココには上質なコミュニティがあると読み取れます。
まだまだ突っ込みどころ満載の小笹団地ですが、この辺で仕事にもどります。ご興味のある方は是非足を運んでみて下さい。動物園→植物園→小笹団地というコースで一日が幸せな時間が過ごせること間違い無しです。まだまだ多くの住民がお住まいになっているので、見学する際はひっそりマナーを守って味わって下さいね。
住所:福岡市中央区小笹4・5
竣工:1956〜1960(昭和31〜35)年度
戸数:賃貸901戸+分譲57戸、合計958戸