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元祖ぶっ飛びダッチデザイン「カピタン部屋」
巨人がウォールデジマを進撃!的な記念撮影をして喜んでいる小市民、松山です。
レムコールハースをはじめトンがった建築家達が、トンがった現代建築を創っているオランダ。オランダは大好きな国の一つです。そしていつもオランダ人のデザイン力に感動しまくるんですが、しかしそれは現代建築だけではなかったんだということを知りました。
オランダ人のデザイン力の底力を長崎県の出島にある「カピタン部屋」にて再度見せつけられました!和洋折衷という表現では薄っぺらくなってしまう、オリジナリティ全開なデザインとなってます。その一つが日本の伝統的な文様をモチーフにした木版刷りの美術紙で“唐紙”それをこれでもか!と活用した壁面仕上げ。禁欲的な日本家屋は、なんか物足りないから壁紙でデコっちゃいました!的にどの部屋に入っても、個性的な文様に目を奪われます。
↑ちなみに「カピタン部屋 壁紙」で画像をググったらこんなにでてきます。
室町時代から建物内部の壁や襖の装飾に使われてきたもので、出島の建物でも使用されていました。ケンペルが出島に関する説明をした文の中にも「自費で壁紙代わりに絵柄のついた紙でこの国の習慣通りに整える。」と唐紙のことと思われるくだりが登場します。また、絵画、天文、地理など多くの分野に明るくユニークな人物として知られる司馬江漢(しばこうかん/1747~1818)も天明8年(1788)、42才の時に出島を訪れ、その時の旅行記録を『西遊旅譚』に記しているそうです。その中にはカピタン部屋内部のスケッチもあり、そこには、壁には額に収められた数多くの絵画が架けられ、椅子が並べられ、机の上にはワイングラスと水差しが置かれ、天井からはシャンデリアが下がるという、まるで洋風な部屋が描かれているそうです。
そもそもオランダ商館長のことを日本ではカピタンと呼んでいました。カピタン【(ポルトガル)capitão】英語のcaptainと同語源だそうですが、日本語の響はキャプテンよりほっこりしてます。このカピタン部屋は非常に大きな建築物で、商館長の住まいであると同時に、日本の役人や大名などが出島を訪れたときに、接待の場所としての機能を持つ、出島を代表する建物でした。
いまでは長崎を代表する観光スポットとなっており、観光客として多くの外国の方々が再度詰め掛けて、歴史は繰り返されることとなっております。ちなみに現在出島は周りが埋め立てられており、ピョコンと海に飛び出してはおりません。
住所 長崎県長崎市出島町6-1 出島内 地図
TEL 095-821-7200 (出島総合案内所)
料金 出島入場510円
時間 8~18時(時期によって延長あり) 無休