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2013.05.09 /

中古マンションのデメリット

いつもブログを読んで頂きありがとうございます。GW伊勢神宮帰りの松山です。おかげさまで、人徳ポイントが若干アップしたので、今日は真面目にブログアップさせて頂きます。
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※伊勢神宮 内宮 御正宮 (築20年)はもうすぐ取り壊し。
 
私たちがお客様にご提供している商品及びサービスは、
「中古マンション購入+リノベーション=新しいより自分らしい家づくり」
 
セミナー等でそんな家づくりの様々なメリットをご説明しておりますが、先日お客様からごもっともな中古マンションに関して質問を頂きました。ざっくり要約すると、以下の三点でした。
 
・中古マンションの建替えが心配。その際、大金が必要になるのでは?
・現在築30年なら50年後は築80年。そんなマンションあるの?
・中古マンションのマイナス面は何か?
 
このコトに関して弊社の考えをしっかりとご説明させて頂くには、これまでの日本の住宅供給システムの歴史から、現在の中古マンションに対する国の法的制度の現状、他の先進国の事例等、、、、3時間くらい語れるボリュームになります。簡潔にあくまでも私の考え方として真摯にお答えさせて頂きました。このメール作成に1時間くらいかかりましたが、僕なりの考えが整理することができて、お客様に感謝です。同じようなご心配の方々も多くいらっしゃると思いますので、ここに公開させて頂きます。
 
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先日はセミナー参加頂きありがとうございました。リノベエステイトの松山です。桜も満開になりましたが、弊社では新人も一人加わり、気分満開で頑張っております。
ごもっともなご質問を頂きありがとうございます。私なりの考えという前提で、ご質問にお答えさせて頂きます。
 
日本には現在およそ10万棟の分譲マンションがあるといわれてますが、国土交通省の調査によると建て替えできた分譲マンションは149件(2010年4月現在)しかありません。全体のわずか0.15%にとどまっております。国交省によれば、建て替えをしたマンションの平均的な築年数は37年とされていますが、これは、まだ物理的には問題なく住めるマンションの建て替えも含まれているため、あまり参考になりません。
実は日本では、マンションの歴史はまだ浅く、普及し始めたのは1960年代後半くらいからと、まだ40数年しか経っていないため、欧米のように100年を超えるようなマンションが存在しないのです。ちなみに鉄筋コンクリート造の最古はおよそ100年前の長崎の軍艦島と言われておりますが現在廃墟なんで事例にはなりません。ちなみに僕はこの軍艦島に3度、入島しました。大好きな廃墟です。
 
さて、マンションが長持ちする秘訣は「設計、工事、点検やメンテナンスがしっかりしていること」です。例えばこれから建築されるマンションであれば、この3拍子が揃っていれば最低でも100年は大丈夫でしょう。しかし中古マンションの場合、途中で建築基準法が変更になったり、工事の品質にばらつきがあったり、点検やメンテナンスが不十分なケースがあったりと、まちまちです。つまり中古マンションは、個体差が大きいのです。同じ築30年のマンションでも、かなり老朽化していて将来予測が厳しいものもあれば、3拍子がしっかり揃ってまだまだ何ら問題のなさそうなものもあります。
それでも「いざという時には建て替えをするのだ」といった覚悟があればいいというわけにもいかないのがマンションです。一戸建てであれば「建て替えたい」と思ったら原則として全て自分の意志でできますが、マンションはあくまで共同住宅。区分所有の共有財産なのです。修繕はもちろん建て替えも、所有者で構成する「管理組合」の同意がとれないとアクションは起こせないのです。建て替えについて管理組合の同意を取るというのは、実は非常に大変です。そう簡単に建て替えなどできるわけではないとう現実があるんですね。
極端な事例ですが法隆寺は築1400年です(もちろんこの建物はパーツを交換しながらの建築物ですが、、、)ちなみに僕の住んでるマンションの築年数はおよそ40年です。弊社の自社ビルはおよそ50年です。新築と比べるととてもリーズナブルでしたし、快適に暮らしてます。気になる部分は勿論ありますが、自分でやれる範囲の修繕したりしております。DIYすることにより愛着が増して楽しいものです。僕は44才だからあと40年くらいは生きると思いますが、管理やメンテナンスをしっかりして行けば建物達の方が僕より長生きするでしょう。
僕はそう信じてリノベーションという暮らし方の選択肢を実践し、「家にあんまりお金がかからない生き方」をお客様にサービスとしてご提供させて頂いておりますが、それでも築年数が心配でしたら、ちょっとコストが多くかかるとは思いますが、新築を検討して下さい。あくまでも「中古住宅+リノベーション」も数多ある家づくりの選択肢の一つにすぎません。でも30〜40年後は同じようにマンションが成熟していくことも忘れないで下さい。人間も建物も歳を重ねることによって深みが増すと僕は考えております。
 
ちょっと長くてつたない説明ですが、参考にして頂けると幸いです。もし解らないことがあればいつでもご相談下さい。
 
リノベエステイト 代表/松山真介