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2016.05.03 /

経年変化の王様「大谷石」

「大谷石」をご存知ですか?「おおやいし」と読みます。


栃木県宇都宮市で採れる淡青緑色の凝灰岩の一種です。

20160503_165328 アメリカの建築家フランクロイドライトが設計した、大正12年、近代日本が生んだ名建築帝国ホテル。現在は愛知県の明治村に移され、旧帝国ホテルとして保存されていますが、僕は実物をまだ見たことはありません(涙)

この建物では、壁や柱など、至る所に大谷石が使われています。ライトが日本オリジナルの様々な建材の中から厳選したマテリアルであったのです。

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大谷石は江戸時代から建築資材として使われ始めました。加工しやすく、耐久性・耐火性に富み,石垣,門塀,擁壁などに利用されている日本の風景に溶け込んでる原風景的な素材です。

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大谷石はまだ日本列島のほとんどが海中に沈んでいた今から2,000万年前に、火山の爆発によって噴出した火山灰などが海水中に堆積し凝固してできたといわれています。

大谷石の特徴である暗褐色または緑褐色の斑点は「みそ」とよばれる蛋白石鉄塩鉱物(たんぱくせきてつえんこうぶつ)。これは火山灰に紛れ込んだ、木の破片などの化石なんです。けっしてゴキブリの死骸ではありません!

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柳宗悦は、大谷石について次のような文章を残しています。


『質が堅くないだけに、石に連想される冷たさがない。丁度石と木との間のような性質がある。堅くないだけに親しみやすい。何も上等な石というわけではいが、私は大谷石に日本的なものを見出さないわけにゆかぬ』と。

柳宗悦の境地に達してはおりませんが、私の大好きな建材の一つであります。

表面的な見た目だけでなく、機能的でも優れた天然素材です。

大谷石は天然ゼオライトを含んでおり、水処理、公害物質処理、油処理、脱臭処理と利用が可能であり、酸度を矯正し調整保持する効果があり、土壌改良剤として利用されております。

多孔質で多くの空気を含むため、自然の断熱材の役割を果たし、温度・湿度も一定に保ってくれます。もちろん、多孔質であるので「脱臭効果」もバッチリです。

切り出された時は緑色、やがて濃い茶色から自然な白色へと、天然石素材だからこそ醸し出される優雅な経年変化。年月を重ねるにつれて変化していく風合いが、長く愛される素材となります。

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「古い建物は壊れるんでしょう?」

リノベーションをお考えのお客様からよく聞かれる質問です。


「はい、壊れます。なにも手をかけなければ。」

僕は答えます、

「だから、大切に丁寧に時々は修理しながら長く使って快適に暮らしていければ良いですよね」と。

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大谷石を建築素材として使ってきた風流な日本人の心意気を忘れずに、建築そのものも、もっともっと長く愛着を持って利用され続ける文化がリノベーションを通して浸透し共有されることを願っております。

※熊本地震で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げるとともに、

一刻も早い復興を御祈りしております。

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