WORKS

2024#001大濠公園のヴィンテージ
断熱改修で叶えた心地よい暮らし

40代夫婦と子ども2人の4人家族。1974年築、約83㎡、2LDKのリノベーション済物件。6階の住戸から大濠公園が見えるヴィンテージマンション。リノベ済み物件を購入後に部分リノベーションをした。

令和になりリノベーションの認知度が高まる中、築古マンションの未改修物件を見つけるのが難しい状況となっている。もともとはフルリノベーションを希望していたオーナーが、リノベーション済マンションとして販売されていた物件を自分たちの暮らしにあった部分リノベーションを施すことで、理想の住まいづくりを目指した。

ユニットバス・システムキッチン・トイレ等の住宅設備は新品に交換されており、無垢の床材や、造作の建具といった特徴あるリノベーション済マンションは、スペック的にも問題はなかった。
しかし、住居後に問題となったのは断熱性能の低さである。

3面採光で明るい室内は、外部と接する壁面が多くなるにも関わらず、壁面には断熱材が設置されておらず、壁内に隠れた換気扇跡の開口は剥き出し状態であった。また、既存サッシは経年劣化で密閉性が低くなっており、夏は暑く、冬は寒さで窓や壁に結露が発生していた。目に見えるデザインは新しくなってはいたものの、住み心地は快適とは言えない状況であった。

適切な断熱材・内窓を適材適所に施し、断熱リノベーションを行った。また、配線ダクトの設置・照明器具の交換・調光スイッチの設置により、上質な照明演出を可能とした。

使える部分は最大限に活かしながら、部分的間取りの変更や、表層的な壁紙は基本的に全て交換して、アクセントウォールやタイル等もリデザインし、フルリノベーションの満足感を得ることとなった。

場所
福岡市中央区
用途
集合住宅
人数
夫婦+子ども2人
構造
RC6階/7階
面積
83.24㎡
建築年月日
1974年8月
リノベーション年月日
2024年9月
  • 無垢材の床は購入当初のものをそのまま利用。リビング壁面にはラワン合板を貼り、可動棚を設置した。

  • 3面採光の角部屋、開放的で大きな窓がある。外気と触れる壁面には断熱材、窓には内窓を設置するなど断熱改修により、築古でも快適な空間となった。

  • ダイニングとキッチン。北欧のヴィンテージ家具と照明がセンス良く馴染んでいる。

  • 水周りは新品の設備が設置されている中、キッチンだけは希望のスペックを満たしておらず、またLDK空間の顔として重要なパーツとなるため、思い切って交換することとなった。ショールームを回って理想のキッチンを見つける一手間が、さらなる住まいへの満足度UPと繋がったと奥様よりお言葉をいただいた。
    キッチンは奥行きがありIHの3口コンロがあるPanasonic社製をセレクト。壁紙と同じグレーをセレクトすることで統一感を出し、収納も豊富ですっきりと整理されている。

  • キッチン横には室内窓のある子ども部屋があり、作業中も子どもの様子を確認できる

  • 薄いグリーンの壁紙が印象的な子ども部屋からは、大濠公園を眺めることができる。LDKに面する室内窓を通して親子で気配を感じながら安心して過ごすことがきる

  • 落ち着いた雰囲気の主寝室には書斎コーナーを設け、リモートワークにも対応できるようにした

  • 大容量のファミリークローゼットは家族四人分の衣類や季節用品が機能的に収納されている

  • 玄関、その先に続く廊下にはオーナーセレクトの絵画やお面のコレクションがセンス良く飾られている

  • 機能的な洗面室の収納計画は主にご主人の担当

  • 既存のトイレは比較的広い空間であったため、壁に収納を追加するなど快適な空間とした

  • 浴室はリノベ済みのものをそのまま再利用している

  • 広いキッチンは大人2人が同時に作業してもストレスを感じない余裕のある広さ

  • リノベ済み物件に新たな価値を加えた、オーナーのこだわりの溢れる空間となった。