2022#003『DIY Decade Camp』 家族との10年の仮暮らしのためのリノベーション
30代夫婦と子どもの3人の5人暮らし。六本松駅徒歩4分、教育施設や買い物にも便利な人気地区に位置する築43年の中古マンションリノベーション。
夫婦2人と3人の子供達は、旅するように暮らしてきた。そんな自由な彼らに夢のマイホーム的な定住というライフスタイルは、選択肢にないようだ。とはいえ、中心市街地での学校区や高い家賃を払い続けることを考えると、中古マンション購入+リノベーションは、子育てや暮らし方の視点からも、また、資産運用としても有益な選択肢であることは間違いないことである。
長崎県の離島「五島列島」に別荘を所有しDIYで見事に再生させ、今ではゲストハウスとして運営も行っている。そんなDIYで暮らしをアップデートすることが趣味の家族であることから、最小限の内装で暮らし始めることは、コストダウン&趣味のDIYを満喫できる、ベストなプラットフォームとなる。10年後、この仮暮らしを満喫した後、賃貸、売却、リノベーション、あらゆるオプションを検討しつつ、次の10年の暮らし方を最適化しているのであろう。
- 場所
- 福岡市中央区
- 用途
- 集合住宅
- 人数
- 夫婦+子ども3人
- 構造
- RC5階/8階
- 面積
- 93.36㎡
- 建築年月日
- 1980年 1月
- リノベーション年月日
- 2022年 10月
北側のバルコニーに面したLDK。キッチン、ダイニング、リビングをゆったりと配置した。バルコニーからは福岡市の景色が一望でき、西側の空には夕焼け、そして夜景も楽しむことができる。
回遊性の高いアイランドキッチンはKitchenhouse社製。背面にはDIY好きの夫婦が自身で設置した使い勝手の良い造作棚とキッチンカウンター。
朝から夕刻までの時間は、一年を通して北側からの安定した光が部屋全体を心地よく包み込む
作業スペースにも余裕のあるキッチン。作業台と背面カウンターの間の通路は広く取られ、家族が同時にキッチンに立つことができる。キッチン横にはパントリーも兼ねた大容量のウォークインクローゼットがある。
リビング直結型の広々とした洗面室と風呂&トイレなどの水回りスペース。トイレを2つ並べて設置したのはご主人の要望で、この家の特徴でもある。2つのトイレは、照明や壁紙の色、ペーパー収納方法などを変え、楽しんでいる。
リビングとゆるやかにつながる子どもたちのためのワークスペース。100キロの重さまで耐えるブランコは、遊びに来た友人たちにも大人気だ。その隣にはこの家で唯一扉がある個室の子ども室。DIYでリビングとの間に壁を造作したセミオープンの夫婦の寝室も。
土間収納のある玄関。有効ボードを壁面に設置し、子どもたちの遊具やアウトドア用品などを機能的に目一杯収納している。造作棚も自分たちでDIYしたもの。
リビングと寝室の間の仕切り壁も同じく夫婦で設置したものだ。壁には子どもたちが野原で摘んできた花などがセンスよくディスプレイされている。
まだまだ進化の途中。これからも家族の暮らしとともに住まいも変化し成長していくのだろう。